平成26年度文部科学省のシンポジウム報告

2015.02.23

 

平成26年度文部科学省「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」のシンポジウム報告

-北村善明顧問、花村温子運営委員がインタラクションセッションで登壇・発言しました-

 

インタラクションセッション:左から花村温子運営員、北村善明顧問、田村由美氏、藤林慶子氏、吉本尚氏、春田淳志氏

インタラクションセッション:左から花村温子運営員、北村善明顧問、田村由美氏、藤林慶子氏、吉本尚氏、春田淳志氏

平成27年2月11日(水・祝)に、「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」のシンポジウム(※正式名称注が、101名の参加のもとに開催され、本会から北村顧問と花村運営委員が参加した。

本事業については、平成27年1月29日の代表者会議の冒頭、事業推進責任者である吉本尚氏(筑波大学医学医療系 附属病院総合診療科講師、医師)から本会に事業の主要となる「多職種連携コンピテンシーの開発に当たり、日本のコンピテンシーを検討していく過程で、ぜひ専門職種の学協会としても意見をいただきながら協力体制を築いていきたい」という説明があり、本会での協力とともに、正会員団体それぞれでも協力体制を構築していくことが了承された。

 

今回のシンポジウムは、事業主体である吉本尚氏らの研究班と日本保健医療福祉連携教育学会(JAIPE)の連携教育推進委員会(IPE推進委員会)が検討してきた「日本における多職種連携コンピテンシーの開発」の内容を概説し、広く参加者から意見を集約することを目的として開催された。そこで、本会としても、チーム医療推進という立場から、多職種連携協働の実践(Interprofessional Work)に向けた継続的 な教育と現場の理解を促すという目標を持って、北村顧問、花村運営委員が参加することとなった。

シンポジウムは、「オープニングセッション」でシンポジウムの目的や研究事業の概略の説明ののち、「シンポジウム:日本の多職種連携コンピテンシーと各専門職種の視点」としてコンピテンシーの概要説明と日本社会福祉学会、日本作業療法士協会、千葉看護学会、日本薬学会、日本歯科医学教育学会、日本医学教育学会、日本理学療法士協会の順で発言し、フロアーからの意見を踏まえてのディスカッションを行った。また、「ワールドカフェとワークショップ:多職種コンピテンシーの理解と活用」を目的に、ワールドカフェと2つのワークショップでそれぞれの内容について理解を深めるとともに、意見の集約が行われた。

最終セッションの「インタラクションセッション:今後の多職種連携に向けて」では、田村由美氏(日本赤十字大学災害看護学、国際看護学教授)から、「今は『interprofessional』と『inter-』ではなくなったが、『inter』には『integration』と『interaction』の意味があり、現在のように『チーム医療』といった医療に限定するようなことではない。また、『professional』も専門職種だけを指すものではなく、もっと広くかかわる人々としてとらえることが本来の意味合いである」と、現在「Interprofessional Education」や「Interprofessional Work」が医療だけに向けられることや専門職と言われる資格者だけが対象となっていることを危惧する発言もあった。また、藤林慶子氏(東洋大学社会学部社会福祉学科教授)は、「社会福祉士は、『医療専門職』という枠組みではない専門職として養成教育を行う難しさがある。特に、医療専門職の養成教育課程を持たない大学で、連携する枠組みを構築すること自体が難しい」と、養成教育の在り方自体の課題を指摘した。

 

指定発言する花村温子運営委員

指定発言する花村温子運営委員

指定発言する北村善明顧問

指定発言する北村善明顧問

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指定発言者として登壇した本会の北村善明顧問は、本会の設立の経緯と現在までの活動についてレビューをした後、「現場での実践につながるコンピテンシーの作成が重要である。患者さんもチームの一員として、患者力を高めることへの検討も必要ではないか。患者さんが中心ということではなく、最終的には『目指すところ』が中心になっていく連携になるような卒前卒後の教育が大切である」と発言した。また、花村運営員は、「よりわかりやすい日本語でコンピテンシーを表現できること、患者さんが単に中心となる、中心にいる患者さんに各専門職がばらばらと手を差し伸べるだけということにならない連携教育が重要である。そのためにもIPEとIPWが別々という教育体制ではなく、もっと現場が臨床教員として卒前教育、実習教育にも関与するといったシステムの構築も検討すべきである。実習生を受ける現場としても各分野の実習生同士が実習の中で交流し、ともに学ぶ機会の提供が実現できれば」と課題を提起した。

今後、研究事業としては広くパブリックコメント(http://ipeipw.org/)を受けて、最終の「日本における多職種連携コンピテンシー」を取りまとめる予定である。

正式名称注)

平成26年度文部科学省「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」

『医療・保健・福祉の現場を支える「多職種連携力」を持つ人材育成プログラム開発事業』成果公開シンポジウム-
日本における多職種連携コンピテンシーの開発

患者・利用者のための連携力とは?

 

文責:運営委員 小林毅(一般社団法人 日本作業療法士協会)