緩和ケアチーム

対象                         
余命が限られたと医師から宣告を受け、病院の緩和ケア病棟に入院中、施設やご自宅で療養中の患者さん(現状では、がん、エイズ、ALS=筋萎縮性側索硬化症などの患者さんが多く見られる)

チームの目的                  
治療することがほとんどできない病気になることで、患者さんとそのご家族が次のような問題に直面しているとき、早い段階からチームで介入することでQOL(人生の質、生活の質)を改善します。

①身体的症状(痛み、吐き気・嘔吐、身体のだるさ、呼吸困難など)
②心理・社会的問題(病気による落ち込み・悲しみ、仕事や家族などの悩みなど)
③スピリチュアルな症状(死や病気への恐怖、自己の存在意義や価値についての苦しみなど)

参加するメンバー               

医師
①病態を把握し緩和ケアの評価、治療方針の決定および治療を行います。
②患者さんのQOLの改善を図り、患者さんの希望する最善の医療とは何かを共に考え最後の時を迎えます。

医療ソーシャルワーカー
患者さん・ご家族・ご遺族の不安や悩み(例えば、▽気持ちの整理▽どうしても気になっている事がら▽医療費▽仕事▽どこで治療や療養を受けるか▽福祉サービス▽患者会情報▽病気や治療について▽セカンドオピニオンなど)の相談に対応します

看護師
①病気とその治療方法、心身の状況、そして現在に至るまでの経過を理解したうえで、患者さんの価値観を尊重しながら、どんなケアが必要か、ご本人やご家族と一緒に考えていきます。
②身体の痛みや呼吸困難などの苦痛症状を緩和したり、心理的・社会的なサポートをしたりすることで、日常生活の充実をはかり、その人らしい終末期を過ごせるよう援助します。また、ご家族の悲嘆に対するケア(「グリーフケア」という)も行います。

管理栄養士
①患者さんの栄養状態を把握し、問題があれば食事療法を中心とした栄養治療に関わります。
②患者さんが残された時間の中で充実した時間を過ごせるよう、満足いただける食事を提供することで、QOLの維持と向上を図ります。

救急救命士
医師との相談のうえ、人生の最後の時を患者さんが希望する場所で迎えることができるように、終焉の地への転院搬送サービスや、ふるさとや孫の結婚式に赴く患者搬送サービスをいたします。

作業療法士
① 身体の痛みなどの苦痛があるとき、姿勢の調整やリラクセーションなどをすることで、日常生活を過ごしやすくできるよう、患者さんや家族に指導・援助をします。
②精神心理的な側面から生じる痛みなどに対し、適切な作業活動によって、患者さんや家族に生きがいや役割の自覚を促し、本人らしい生き方を表現できるよう援助します。

歯科医師
患者と家族の意向を踏まえ、口腔機能の低下による経口摂取困難、口腔清掃不良による誤嚥性肺炎等の感染症の予防のための歯科治療および口腔衛生管理の計画・実施の方針を決定する。患者・家族を支えるとともに、口腔内の苦痛、不快感を緩和する口腔ケアの実施について指導管理する。

歯科衛生士
①口腔がん等の術前処置として、専門的口腔清掃(歯垢、歯石等の除去)や医薬品としてのうがい薬等の併用による口腔衛生管理を行うことで、痛みを緩和し、術後の口腔環境の悪化を予防します。
②頭頚部等の放射線療法や化学療法では、口内炎等の副作用が発症することで痛みが激しくなったり、食事や会話が困難になったり、開口障害を起こしたりすることがあります。
これらの症状を緩和するため、医薬品としてのうがい薬やアイスボール(氷を球形にしたもの)などを使用し、粘膜を保護しながら専門的口腔清掃を行います。
さらに、患者さんのセルフケアを支援し、良好な口腔衛生状態を維持・管理します。

診療放射線技師
①エネルギーの強い放射線を照射することで、骨転移部位の痛みを緩和します。
②核医学検査室で骨転移部位の痛みの緩和に使用する放射線医薬品の管理をします。

薬剤師
①薬剤師は緩和ケアチームの一員として、がん患者さんを痛みから解放するための役割を担っています。医療用麻薬についての不安や誤解を取り除き、副作用を避けるための対策を取り、鎮痛薬がいつも効いている状態を保つよう配慮します。
②医療スタッフに対しては、薬物療法の支援や、医薬品情報の提供などを行います。

理学療法士
①物理療法(温熱、冷却、レーザーなど)や、リラクゼーション(姿勢調整)、補装具(杖)や福祉用具の使用などによって、痛みを緩和します。浮腫(むくみ)による痛みの場合は、リンパドレナージ等を行います。
②呼吸苦がある場合は、呼吸法などを指導します。
③身体の廃用(動かないことによる心身機能の低下)を防ぐため、基本動作(起きる、歩くなど)の練習や、筋力改善などを行います。身体の活動性を高めることは、心理的な支持となる場合もあります。

臨床検査技師

臨床心理士
①患者さんが、病状や先行きの不安、死の恐怖などを感じつつ、さまざまな喪失を悲嘆し、受け入れ、そして自分の人生の意味を振り返るプロセスに寄り添います。
②ご家族に対して、患者さんを失ってしまうということで生じるさまざまな感情や悲嘆、困難に向き合う心理面を支援します。