リハビリテーションチーム

対象                           
心身に障害を持つ、またはその可能性があり、日常生活に支障のある患者さん

身体の障害の例
・脳卒中、脊髄の病気、けがによって、手足に麻痺がある、体を動かしにくい
・腰や肩の痛み、関節痛などによって、体を動かしにくい
・呼吸がしづらい
・糖尿病などの病態改善(運動療法として)
・高齢、術後の体力低下、心筋梗塞による身体機能低下及びこれらが予測される方

心の障害の例
・精神の病気、心理的な負荷による精神的な障害がある方、または障害が予測される方
・老年期の身体能力や認知機能(物事を認識する、考慮する、判断する、記憶するなどの能力)に障害の出ている方
・頭部外傷や脳卒中によって生じる「高次脳機能障害(記憶力、注意力・集中力、遂行力=計画し、段取りよく実行する、予測する、配慮する、持続しておこなうなど、社会的適応行動=周囲の人間との調和など)が低下している方

チームの目的                     
患者さんが抱える問題を、▽心や体の働き・身体構造▽社会生活における活動に参加できるかどうか▽生活環境(=おもに、自宅や買い物先など、普段の生活圏内)▽社会的環境(=会社、学校、地域コミュニティーなど)、それぞれの側面から評価・分析し、様々な手段を使って早期退院・早期社会復帰を目的とします。

参加するメンバー

医師
病態を診断し、患者さんの予後を見据えて、リハビリの計画を立てます。

医療ソーシャルワーカー
リハビリに対する希望がかなうよう、メディカルスタッフとの間をつなぐ相談、生活・仕事・入院費の心配、介護の不安、退院後の生活の場をどうするか、についてなど、患者さん・ご家族の相談に対応しています。

医療リンパドレナージセラピスト
がんの手術や放射線治療を受けると、「リンパ浮腫(ふしゅ=むくみ)」という後遺症に悩まされることがあります。治療した患部周辺のリンパ(体液成分)の流れが滞り、老廃物や細菌類を処理できなくなるからです。
①手・脚・顔・胸・背中・腰・陰部・おしりなどが異常に膨れ上がってしまいます。
②服を着られなくなったり、包丁や掃除機がうまく使えなくなったりなど、日常生活に支障をもたらします。
③疲れやすくなったり、鈍痛や不快感を伴ったりします。
このため、日常生活を少しでも快適に過ごせるよう、医療リンパドレナージセラピストは治療によって後遺症を改善させます。

看護師
①急性期から慢性期にいたるまで、24時間ベッドサイドで全身状態を観察し、患者さんの病状や回復の目標に合わせて、運動機能や能力の維持・向上が安全に行われるよう援助します。
②日々のリハビリが効果的に行われるよう、その前後の症状や体調の変化などを観察・評価し、情報を他職種に提供します。
③心理面の変化にも対応し、患者さんや家族がリハビリテーションに積極的に取り組めるよう支援します。
④退院後は療養計画に沿って、生活の中で身体の機能を維持できるよう、リハビリを取り入れた日常生活の過ごしかたなどについて相談に応じます。

管理栄養士
①必要な栄養量を算出したうえで、実際の摂取栄養量・不足栄養素・栄養状態の評価をして、栄養補給方法を計画立案します。
②▽患者の嗜好への対応▽使用する食品や調理法の決定▽栄養補助食品の選択▽食事形態(普通食・きざみ食・とろみ食など)の提言▽テクスチャー(口当たり・歯ごたえ・舌触りなど)の提言▽水分管理の評価▽経腸栄養剤(腸から栄養を吸収させる方法)における選別の提言、なども行います。

義肢装具士
骨折、靭帯損傷、関節変形などの整形外科的疾患の治療とリハビリテーション、また、脳卒中や脳性麻痺、脊髄損傷などに対するリハビリテーションにおいて、それぞれ医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの関連職と連携しながら、各疾患の治療や機能回復を目的に種々の装具、福祉用具を提供します。切断後のリハビリテーションでは“仮義肢”の製作と適合を行い、医師、看護師らと共に切断端の創や浮腫の管理を行うと共に、理学療法士や作業療法士と連携して早期の義肢装着訓練に係わります。

言語聴覚士
発声と摂食・嚥下(食べる、飲み込む)の機能に障がいがある方の検査、および、その回復や代わりの手段の獲得を指導します。

作業療法士
▽精神の病気、心理的な負荷による精神的な障害がある方、または障害が予測される方▽老年期のさまざまな能力や機能(身体能力や認知機能など)の障害▽頭部外傷や脳卒中による高次脳機能(記憶、注意機能、遂行機能、社会的適応行動など)障害などの方々に、作業活動を通じた治療・指導・援助を対象者や家族に行います。おもに、次の5点を目指します。
①心身の機能回復や維持(麻痺の回復、装具などでの関節の保護・運動の促進、精神の回復や維持など)、二次的な障害の発生などの予防
② 食事・更衣・排泄などの日常生活活動(ADL)
家事・外出・地域活動などの日常生活関連活動(IADL)
③ 作業耐久性の向上や環境調整など、就労や就学に向けた職業関連活動
④退院後の住環境整備(手すりの設置、間取りの調整など)、環境への適応(改造したトイレ、浴室での出入り動作、家族の介助など)、福祉用具(持ちやすい箸、子どもの遊びに適したおもちゃなど)の製作や使用方法
⑤集団生活技能(職場や学校内での人間関係、適応的行動など)の獲得、作業遂行(1つ1つの作業の方法や手順)の獲得や代償能力の獲得

歯科衛生士
①摂食・嚥下機能の維持向上のため、むし歯や歯周病の予防処置、義歯の取扱い指導などで、口腔機能の改善をはかります。
②歯、歯肉、舌や粘膜、義歯の取扱いを含む専門的口腔清掃により、口腔内環境を清潔に整え、口から食べるための意欲を高めます。
③保湿により口腔乾燥を防ぎ、口の周りの筋肉に刺激を与え、開口や咀嚼をなめらかにします。
このような口腔機能の維持向上や口腔衛生の改善は、誤嚥性肺炎を予防するためにも効果的です。

精神保健福祉士
精神科医療機関において、精神疾患のある患者さんが望む暮らしを実現するための生活環境の調整や、社会資源の活用・開発、各種制度の利用を進めていきます。また、入院中に行う社会生活技能訓練(SST)や心理教育プログラム、外来リハビリテーションとしての精神科デイケアや精神科ナイトケア、そして訪問支援チームなどに、精神保健福祉士が生活の視点をもって参画しています。

薬剤師
①薬剤師は、静脈・経腸栄養療法(口から食べられない場合の栄養摂取法で、静脈や腸に直接栄養を吸収させる)に関する▽処方設計支援(患者に最も適正と考えられる薬の種類・量などを医師に提案する)▽病態に応じた栄養製剤の選択▽静脈栄養輸液(静脈から栄養や水分・電解質などを点滴によって投与  する方法)の特別な無菌調製等、を行います。
②栄養療法が適正に使用されるよう確認します。例えば、▽静脈栄養剤・経腸栄養剤と医薬品・食品との相互作用回避▽栄養療法に用いる器材の使い方▽ 医薬品の経管投与(管を使って薬を投与する方法など)に関する情報提供・リスク回避など、です。
③患者さん・家族への静脈・経腸栄養剤に関する情報提供、在宅栄養療法に関する指導・支援を行っています。

理学療法士
基本的動作能力(起き上がり、座る、立つ、歩く等)の維持・改善を目指します。

臨床検査技師
脳波や筋電図の検査を行い、画像検査では判断出来ない脳神経系の働きの状態を調べることで、診断や予後、治療効果の判断を支援します。

臨床心理士
①障がいをもったことで不安症状や抑うつ症状が出たり、生きることに困難を感じていたりする方に、カウンセリングを行います。
②リハビリになかなか取り組めない場合は、その要因を探りつつ、積極的に取り組めるよう働きかけます。
③高次脳機能障害の患者さんなどには、知能検査や神経心理検査等をおこない、損なわれた機能や保たれている機能等について確認するととともに、その後の治療に役立てるよう検討します。