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17歳 高校生の未来をつくる

両足の自由を失った。その事実は、17歳の少年にとって、重すぎた。

バイク事故だった。
昨日までは、元気に走っていた自分が、いまはいない。
つらすぎて、布団をかぶってすごす日々だった。

その彼が入院していたのは、チーム医療が行われる病院だった
担当するメディカルスタッフは、少年の身体面、精神面を細かくチェック(そのときチームは)した。
本人だけでなく、ご家族の意向もしっかりと聞いた。
そして設定された彼のゴールは、復学だった。

少年にとって、それは夢のような話。
メディカルスタッフたちも、ゴールにいたるまでには、多くの問題があることは十分にわかっていた。
だからこそ、各メディカルスタッフは、全力で少年に力を出した。

彼らの綿密かつ全面的なサポートにより、徐々に身体の動きを取り戻す。
車椅子ではあったが、少年は復学に対して意欲的になった。
学校に行けるかもしれない。
復学は、もう夢じゃない。

しかし、その彼らに立ちはだかったのは、学校側の姿勢だった。
車椅子での復学の例がなく、復学を拒否したのだった。

だが、少年と、メディカルスタッフはあきらめなかった。
教育委員会と、学校の校長への説明と説得を行った。
また、本人と高校に赴き、車椅子での生活が問題ないことをデモンストレーションもした(そのときチームは)。

結果、少年は復学を果たした。
身体的・精神的サポートにくわえ、
学校側への説明や、ご家族のサポートなどさまざまなケアがおこなわれたからこその結果。

チーム医療は、患者の人生を支え、未来をつくる。

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補足

※1 初期カンファレンスの各スタッフの報告。この報告から、復学をゴールと決められました。

【医師】両下肢麻痺・膀胱直腸障害の回復は見込みなし
【看護師】入院後、病棟規則を乱し、又は布団をかぶり寝ている
【臨床心理士】発症後1週であり、障害を受容できずに苦悶中
【理学療法士】前向きな姿勢がなく、人間関係構築中
【作業療法士】OT室に現れず未対応
【MSW】本人の意向は別として復学をゴールとしたい。家族の意向も復学にある。
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※2 具体的な各スタッフの活動。ゴールを達成するためなら、医療現場も飛び出すことも。

高校3年への復学のため教育委員会と校長への説明と説得を展開必要があればスタッフを派遣
【理学療法士】本人と共に高校に行き車椅子でのデモンストレーションを行うこと
【作業療法士】理学療法士と同行
【MSW】学校側はエレベータがない事が最大の理由。学校までスタッフが行くための調整開始
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