精神保健福祉士は、1997年に誕生した精神保健医療福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。

21世紀はこころの時代と言われています。多様な価値観が錯綜する時代にあって、こころのあり様は私たちがもっとも関心を寄せる問題のひとつです。

特に、わが国では、たまたまこころの病を負ったことで、さまざまな障害のある人々（精神障害者）に対する医療的ケアや地域生活支援の取り組みは、先進諸国の中で制度的に著しく立ち遅れた状況が長年続いていました。近年になり、関係法の改正などにより、ようやく精神障害者も一市民として地域社会で暮らすための基盤整備が図られるようになりました。

精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカー（PSW：Psychiatric Social Worker）という名称で1950年代より精神科医療機関を中心に医療チームの一員として導入された歴史のある専門職です。社会福祉学を学問的基盤として、精神障害があっても、その人らしいライフスタイルの獲得が可能となるように、生活問題や社会問題の解決のための援助、地域生活支援の活動を行っています。

さらに、高ストレス社会といわれる現代にあって、広く国民の精神保健保持（メンタルヘルスケア）に資するために、医療、保健、そして福祉にまたがる領域で活躍する精神保健福祉士の役割はますます重要になってきています。